DISHとはdiffuse idiopathic skeletal hyperostosis=びまん性特発性骨増殖症のことで、糖尿病や肥満、脂質異常症の方に多い骨関節疾患です。手足の痛みを起こすことがあります。

 

DISHでは、手足の変形性関節症を起こしやすいです。肥満の方や糖尿病の方で、手足が痛い、変形性関節症がありそうだという場合は、もう一歩踏み込んで、DISHがないかを考える必要があります。

 

 

変形性関節症は、DISHの末梢関節炎は画像的にも、機序としてもと共通のものがあると考えられています。ただし、変形性関節症が直接の摩耗によるもので、DISHは靭帯の肥厚などから関節内の圧が上がることが原因かもしれないと考えられており、一部で違いもあります。この違いを反映してか、DISHに伴う変形性関節症では、一般的には変形性関節症になりにくいような、肘関節、肩関節、MCP関節などでみられることがあり、これにより区別が可能です。

 

DISHの関節や骨の痛みは、疾患に特徴的なものはなく、どの病気でも似たような骨の痛みや関節の痛みは出て来ます。症状による診断基準はなく、DISHの存在を疑いレントゲンを撮影して初めて判るという場合が多いです。

 

DISHは、無症状のこともあります。症状がある場合ももちろんあり、その症状としては、朝のこわばりの症状や、四肢の痛みを持つことがあり、大関節や小関節の痛み、腱の症状を反映して踵やアキレス腱などの腱自体の痛みが出ることがあります。また腱が骨にくっつく部位である腱付着部の痛みとして、肩や膝蓋骨や肘頭部の痛みを感じることがあります。
DISHと手足の痛み

 

腱付着部の骨化(単純レントゲンで確認できる)