高インスリン血症とDISH

高インスリン血症は、DISHの発症と深くかかわっています。年齢や肥満と独立したリスク因子であり、高インスリン血症の人はDISHになりやすく、またDISHが進行しやすいです。

 

高インスリン血症は、糖尿病でインスリン治療をして血液中のインスリン濃度が上昇している人や、お薬でインスリン分泌を促す薬(グリニドやSU剤やDPP-4)を飲んでいる人や、インスリンの効きが悪い人達(効きが悪いので、その分沢山分泌している)にみられます。

 

インスリンは、靭帯内の細胞の分化にかかわっており、血液中のインスリンの量が多いと、体の中で骨化を起こすように分化しやすくなります。腱付着部は、成長板という構造物を腱や靭帯に提供していて、この構造物は(コラーゲン繊維、繊維芽細胞、軟骨細胞、石灰化した物質)からできていて、この部分がインスリンに刺激され石灰化・骨化の原因になっていると考えられています

 

 

糖尿病があり、DISHを合併している方への治療として、この高インスリン血症を治すというのは一つの良い選択になりえます。
インスリン分泌を減らしたり、インスリン抵抗性を減らすための治療ということで、ビグアナイドなどのインスリン抵抗性を減らす治療はインスリン分泌量を減らしてくれ、運動もインスリン抵抗性を減らすのでインスリン分泌量を低下させるため、推奨されます。
逆にSUはインスリンを増やすので、DISHを悪化させます。
血糖値が許すのであれば、インスリン分泌を増やす治療よりも、インスリン抵抗性を下げる治療を行っていくよう選んでいく、ということが一つの選択肢になります。