Forestier syndromeとは

Forestier syndromeは 1950 年に Forestierによって報告された症候群です。

 

背骨の椎体という骨の前面、側面に骨化をきたし、動かしにくくなってりまう疾患で、Forestierが報告した時には、高齢者の男性に多く、変形性脊椎症や強直性脊椎炎とは異なる疾患であるということで、疾患の報告をしました。

 

実はその後、Forestierによって、1971 年には,強直性脊椎骨増殖症(ankylosing spinal hyperostosis:ASHと呼ぶことを提唱しなおしました。これによって、この病気が高齢者だけに発症してくるものではない、という知見が加わっています。

 

 

現在では Resnickらが 1975 年に提唱した全身の骨肥厚病変(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)の脊椎病変とされています。

 

 

60〜80 歳代までに現れることが多く,背骨が動かしづらくなります。症状がなにもなく、少しずつ進行する人も多いです。。むしろ、痛みははあったとしてもあまり強くなく、腰背部痛、肩こりなどしか出ない人も多いです。高齢者では、頸椎の病変による嚥下障害(食べ物などを飲み込むことへの障害)が出てくることがあります。しかし、発声障害、嗄声、気道狭窄による呼吸困難など喉頭,気管の障害の報告は少ないです。

 

そういった、飲み込みの障害を持つ高齢者として、Forestier syndromeと名付けられたときに付いていた高齢者のというイメージを持って、時々耳鼻科領域ではForestier syndromeとして報告されることがあります。

 

 

つまり、Forestier syndromeは昔の病名で、今はdiffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISHの脊椎病変と考えるとよいでしょう。